卵巣癌の検査(告知2日目)

卵巣癌闘病日記
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昨日、かかりつけのクリニックで卵巣癌Ⅲ期だと告知され、大きな病院に紹介状を書いてもらって来た。造影CT画像のCD-Rも持参しているので、専門家が見ればすぐにわかるのだろう。
これまで、父の付き添いで来ていた病院が、まさか自分の病気で受診することになるなんて、思いもしなかったな。

初診から検査の嵐

これまで、父がやってきた検査を全て同じように受けるらしい。
初診にもかかわらず、診察する前に、血液検査・造影CT・造影MRI・心電図・レントゲンの検査が入っていた。
ああ、これはとにかく急いで治療しないといけない状態なんだなと思った。昨日の先生も、とにかく急いでって言ってたから、だいぶ進行しているんだろうと思った。

子供の頃から健康優良児で、大きな怪我も病気もしたことがないから、入院したこともないし、検査といえば健康診断程度で、とにかく何もかも初体験だらけ。父の付き添いで、いろんな検査をしている姿を見てきたけど、実際にはどんなことをするのか全く分からない。

血液検査

血液検査は、5本くらいの試験管に血液をシューっと取られた。結果が出るまで1時間くらいかかる。

造影MRI

造影MRIがつらかった。
さっき血液検査で針を刺したばかりなのに、違う腕に点滴用の針を刺される。優しいお兄さんだったから救われたけど、造影剤をここから入れるんだな、と昨日のCTを思い出して嫌な気分になった。MRIは磁気がすごいので、入口に危険マークがいっぱいある。普通の車椅子も近づいてはいけない。

機械の中で30分間もじっとしていないといけないのも辛いけど、振動と音がとにかくすごい。なんか棺桶の中に無理矢理入れられて、棺桶ごと濁流に流されて、外から思い切り叩かれたり、揺さぶられたりしているような気分だった。途中で造影剤が入ってくると、体の中がひやーっとして変な気分。気持ち悪いとか感じる前に、振動と音がガンガンくるからそれどころじゃなかった。

造影CT

次にCT。引き続き造影剤を入れるので、点滴の針はそのままにされて、CT検査室へ。
昨日も撮ったのにもう一回か・・・と思いながら、MRIよりは短時間で済むから大丈夫と思っていた。ところが、昨日の造影剤とは比べ物にならないほど、体がカーッと熱くなった。昨日はジワーっと暖かい感じだったけど、今回のはガッと熱くなってすんごい気持ち悪い。びっくりした。はぁ、疲れた。

婦人科の待合室の風景に違和感

次の検査の順番が来るまで、待合室でお待ちください、と言われ、食事を取れないまま小一時間待った。婦人科で待っている間、目の前にママ向けの雑誌が並んで置いてある風景を見ていて、ふと前に見た夢を思い出した。デジャヴだと思う。同じ風景を夢の中で見たことがあるような気がした。その時は、子供が欲しいわけでもないのに、なんでママ雑誌なんか見たのかな、と思っていたけど、まさか卵巣癌で婦人科に来ることになるとは想像もしてなかった。

妊婦さんが目の前をたくさん通る。いろんな不安を抱えているお母さんたちなんだろうな。
10年間、保育つきバレエサロンで、ママたちのためのバレエ教室をやっていた頃を思い出した。

3、4年くらい前の私だったら、妊婦さんたちを羨ましく思って辛かったと思う。別に結婚や出産を避けてきたわけではないし、普通に生きてきたつもりだけど、そういう機会には恵まれなかった。女性として生まれてきて、出産は経験してみたかったな、という思いは正直ある。でも、一緒に生活して子育てしたいと思う人が今は居ないし、45歳になってから安全な出産は厳しいだろうし、子育てをするエネルギーをあと20年保ち続けるのも難しいと思い始めていたから、今、妊婦さんを見てもそれほど辛くはなかった。でも、もし今パートナーがいたら、つらかっただろうと思う。

それでも、婦人科で私のようなガン患者もいる中で、なぜママのための雑誌だけが置いてあるのか? これには違和感しかなかった。ここは昭和の病院なのか?と思うほど、幸せな出産を目指している方のための情報提供しかない。なぜガン患者に対する情報提供がないのか、ウィッグの案内雑誌は置いていないのか、あるいは不妊治療のための情報提供はないのか、いろんなことが頭を駆け巡った。

確実に卵巣癌Ⅲ期と診断

放射線の検査が終わって、やっと診察。
昨日のかかりつけ医の診断が本当なのか、進行度はどれくらいなのか、より詳しいことがわかる瞬間。

昨日、聞いていると思いますが、卵巣癌のⅢ期です。ⅢC期というⅣ期の一歩手前です。
すぐに治療を始めましょう。

やっぱりそうなのか。疑っていたわけではないけど、少しでも早期発見であって欲しかった。
それから、婦人科独特の椅子に座らされて、アラレもない姿で触診され、エコーで中をけっこう長い時間見られた。恥ずかしいことこの上ないのだけれど、女性の先生だったのが唯一の救い。医者側からすれば性別なんて関係ないのかもしれないけれど、やっぱり女性の方がほっとする。そして、溜まった腹水を注射器で少し抜かれ、成分を検査するとか。

とにかく急いで治療をスタートした方が良いということで、来週、早速手術をすることになった。腹腔鏡で癌組織を取って病理検査し、翌週から抗がん剤治療を開始するという方針になった。

まさか初診の日に入院日が決まるなんて思ってもいなかった。今日、レッスンの代講を頼んだだけなのに、来週から入院なのか。昨日も覚悟したけれど、やっぱりもう今までの日常は戻ってこないんだと思った。つい3日前まで普通に生活していた日々が嘘みたいだ。

癌の闘病中の父に伝える

父には、LINEで一度状況を連絡してから、電話した。
最初、父は早期発見だと思ったらしい。しかし、現実はそうではない。けっこう進行しちゃってる、ということを伝えると、返事がなかった。これは相当落ち込んでいるのだろうと思った。

自分が抗がん剤治療中で、毎回病院に付き添っていた娘が、まさか進行癌に冒されているとは誰も想像できないだろう。すぐに入院しなければならないことが分かり、これからどうやって父を病院に通院させるのか、自分の治療と両立できるのか、という問題が今現実にある。

病院でソーシャルワーカーさんを紹介していただいた。今後の自分の治療だけでなく、父の介護申請やリハビリなどのケアなど、いろいろなサポートを使って、できることを進めていくしかない。今はもう不安しかない。

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