水球ファンの気ままな日記 #03

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いつも読んでくださっている皆様、ありがとうございます。
今日は、悲しいお知らせをしなくてはなりません。

悲しい知らせ

スペイン水球代表キーパーだったJesus Rollan(ヘスス・ロヤン)が亡くなりました。
享年37歳。
4月に38歳の誕生日を迎える前に、自ら命を絶ちました。

彼は、5回のオリンピックに出場し、“ドリームチーム”と言われた スペイン水球の黄金時代を築いたゴールキーパーで、当時、世界で一番の守護神といわれた名選手。2001年の福岡世界選手権でも、スペインを金メダルへと導いたのは彼です。

アテネ五輪を最後に、現役を引退し、イタリアへ渡って水球指導をしていました。
しかし、離婚したことで、愛娘のAsia(アシア)ちゃんと会うことができなくなり、そのことが彼にとって大きな苦痛となってしまったようです。
仕事を続けることができなくなってイタリアから帰国し、 故郷のマドリッドで療養していました。

気さくなJesus

2005年3月にマドリッドで行われたCopa del Rey(国王杯)を見に行ったとき、 観戦に来ていたJesusに、私は声をかけた。
「久し振りだね。元気にしているの?」
『もちろん元気だよ。今はマドリッドに住んでるよ。』
私は、それでも心配だったので、「本当に元気になったの?」ともう一度聞くと、
『本当に本当だよ!』と、私の頭をぽんぽんと叩きながら答えてくれた。
VIP席で観戦していたJesusのところに、たくさんの選手たちが来て、 みんなが元気だったかー!!!と声をかけていたのを見た。
(こんなに温かい友達がたくさん居るんだから、きっと大丈夫)
そう思った。
これが、私がJesusを見た最後でした。

スペインの新聞の記事によると、 Jesusは、去年10月から療養所に入院しており、徐々に回復に向かっていた。
スペインオリンピック委員会が、彼の今後の活動をサポートしてゆく予定であったが、 先週土曜日、「もう生きてゆけない」という言葉を最後に、療養所の窓から飛び降りた、ということです。

忘れられない思い出

それは、2004年6月のこと。
オリンピックを目前に控え、ワールドリーグの予選があり、 私は友人と二人で、バケーションを兼ねてマヨルカ島まで遊びに行った。
2日目の午前の試合が終わった後、チームのみんなの目を盗んで、 私にこっそり携帯番号を聞いてきた、茶目っ気たっぷりのJesus。
『午後は試合も練習もないから、遊びに行こうよ!』
Jesusは、友人と私をカフェへ誘って、一生懸命語り続けた。
泊まっているホテルが、どれほど美しくて、ステキなところか、ということを(笑)
あの時、私が家族の話を聞くと、 本当に嬉しそうに話してくれたのが、愛娘のAsiaちゃんのコト。
財布の中に大切にしまっているAsiaちゃんの写真を丁寧に出して、 私たちに見せてくれたのが、とても印象的で、忘れることができない。
『まだ、1歳にもなってないんだよ!!すごくかわいいんだ。』

Descanse en paz

Jesusが現役最後となったあのアテネ五輪が終わって、 半年も経たずに、イタリアから帰国したという知らせを聞きました。
なんということだろう、 スペインの黄金時代を駆け抜け、脚光を一身に浴びた守護神Jesusが、たった数ヶ月のうちに、失意と落胆を背負って帰国するとは・・・ と思わずにはいられませんでした。
そして、自殺。
彼の死には、いろいろな噂が飛び交っています。
精神に異常きたしていたとか、麻薬中毒だったとか・・・ 人は、そう言うかもしれません。
しかし、私は、そう思いません。
Jesusがどれだけ水球を愛していたか、
父親として、どれほど深い愛情を注いでいたか、
水球選手としてだけでなく、一人の人間として、
どれほど多くの人を愛し、
そして、愛されていたか。
ほんの少しだけど、垣間見ることができたから。
Jesus…tu seras nuestro idolo para siempre. Descanse en paz. Jesus・・・
君は永遠に私たちのアイドルだよ。 安らかにお眠りください。

*にーあや* メールをお待ちしています

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