大人バレエのスタートは、正しい姿勢で立つところから

基礎レッスンのコツ
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大人になってから、憧れだったクラシック・バレエを始める方が増えています。
私の教室にも、30〜70代の女性たちが健康維持のためにレッスンにいらしています。中には、腰痛や肩こり、膝痛などを抱えている方もおられますが、その多くが姿勢を直すことで改善されます。長年の姿勢の癖で体が歪み、関節に負担がかかって痛みが出ていることが圧倒的に多いのです。

大人バレエで正しい姿勢を学び、体のバランスを整えながらインナーマッスルを鍛えてゆきましょう。

大人バレエは「正しく立つ」ところからスタート!

まず、足を揃えて真っ直ぐに立ってみましょう。
足のポジションについては、別の記事で詳しく説明しますが、まずは両足を揃えて真っ直ぐ立つところから始めます。これを6番ポジションと言います。

写真は、プロのバレエダンサーの姿勢ですが、とても美しいですよね。鏡を見て調整したわけではなく、「横向きに立ってください。次に前向きで両手を横にあげてください。」と言っただけです。

さて、あなたの姿勢はどうなっていますか?
目を瞑って鏡の前に立ってみて、そっと目を開けてみてください。できれば、写真を撮っておいてください。

バレエは何と言っても姿勢が命。美しい姿勢を維持するには、まず「真っ直ぐな姿勢とは何か?」ということを知る必要があります。鏡で自分の姿をしっかり見ることが大事です。

両手をバーに乗せて

先生に「両手バーで」と言われたら、バーに対して正面に立ちましょう。

バーには寄りかからず、腕が少し曲がるくらいの距離に立ちます。私のレッスンでは「バーは王子様」と言っています。一緒に踊る相手との距離を想像して、バーを持つとちょうど良いですよ!

そして、バーは掴むのではなく、上から手を乗せるだけ。王子様の手に、そっと手を乗せるイメージで。

自分の姿を知る

真っ直ぐに立つというのは、意外と難しいもの。長年の身体の使い方の癖や筋肉の使い方などが偏っていたりして、まっすぐな姿勢で立てていない人が多いのです。鏡を見ながら、確認してみましょう。

  • 肩が片方だけ上がったり下がったりしていないか
  • 首がどちらかに曲がっていないか
  • お腹は出ていないか
  • 骨盤の向きはまっすぐか
  • 骨盤が前傾していないか、後傾していないか
  • 重心の位置が踵の上にないか

私が大人バレエの生徒さんを見る時、まず骨格のアライメントや関節の可動域などを見て、これまでどのような身体の使い方をしてきたかを、筋肉のつき方や身体の動かし方を見て瞬時に判断します。骨格が違うのだから、全員が同じ姿勢で良いはずがありません。それぞれの身体に合った「正しい姿勢」があるのです。その姿勢を維持し続けることで、体幹を支える筋肉がついてゆき、お腹周りが細くなったり、デコルテラインがスッキリしたりします。それだけ、姿勢とは大切なのです。

1回のレッスンですぐに習得できることではないので、何度もレッスンの中で講師が同じ注意をすることがあります。それで落ち込む必要はありません。大事なことだから繰り返しお伝えしているのです。立っているだけならまだしも、バレエはいろいろと身体を動かしますから、最初は姿勢が崩れてしまうのは当たり前です。

Bitly

ウォームアップ

正しい姿勢で立てたら、足指を動かしてウォームアップをしましょう。
バレエでは、足の裏や足指の筋肉をよく使います。トウ・シューズを履いてダンサーが踊っているところを見たことがある方は分かると思いますが、強靭な足先の筋肉を育てなければ、立つことができません。 大人バレエで突然トウ・シューズを履く事はありませんが、バレエの基礎レッスンでは、足指や足先を使う練習がたくさんあります。そのため、冷え性が改善される方も多いです。

足指をほぐして足裏をストレッチ(デミ・ポアント)

踵を上げてつま先立ちになる動きを「ライズ」と言います。重心の位置は、親指と人差し指の間の付け根のところです。その、踵を上げた状態のことを「デミ・ポアント」と言います。「ポアント」とは、つま先全部を伸ばした状態のことなので、その半分「デミ」での状態ですね。

まず、ウォームアップのレッスンの様子をご覧ください。

骨盤はまっすぐ立てて屈伸(プリエ)

バレエの動きの中で最も重要なのが「プリエ」です。屈伸するという意味ですが、人間が大きく動き始める時には、必ず屈伸からスタートします。単純な動きなのだけれど、とても難しいのです。

膝を曲げた時に、骨盤が前後も左右も傾かないようにし、しかも膝の向きがつま先と同じ方向でなければなりません。両方のつま先を揃えて立ち、両膝が前に向いている時は分かりやすいですが、1番(つま先を外旋したポジション)でのプリエは、とても奥が深い! 骨盤が後傾せずに、両膝を爪先の方向へ向けたまま屈伸し、さらに伸ばす時も膝の向きが変わらないようにしなければなりません。

これができるようになると、太腿の内側の筋肉やお尻の筋肉を鍛えることができるので、膝痛が解消したり、脚が細くなったり、ヒップアップも期待できます。

美しい姿勢は上半身のストレッチから生まれる

今度は上半身の動きです。 ダンサーたちのしなやかで美しい動きは、上半身がうまく使えているからだと言えます。バレエでは骨盤を安定させることがとても重要なので、上半身の動かし方も骨盤を意識して動かします。

上半身を前に曲げる時も、横に曲げる時も、後ろに曲げる時も、必ず骨盤はまっすぐに保ったまま動かすようにしましょう。 それほど大きく曲げることができなくても大丈夫です。まるで木がしなるように緩やかに少しだけ曲げるようにしましょう。意外と身体が伸びると感じるはずです。

腰を痛めないように後ろへ反るストレッチの方法

大人バレエを習い始めた時に、腰痛で悩んでいる方が多くいらっしゃいます。そういう方には、後ろへ反ることをしないようにお伝えしています。 まず、正しい姿勢で立つことを学んでいただき、腹筋を鍛えていただきます。ある程度腹筋がついてきてから、先ほど説明した通り、骨盤を動かさないようにして上半身を後へ動かすようにすると、腰への負担をかけずに反ることができます。

あまり詳しく骨の構造を説明したりはしませんが、身体のどこが曲がっているのか、ということを理解した上で身体を動かせるようになると上達する方が多いので、 大人バレエの生徒さんにはほんの少し解剖学の話も説明しながら指導しています。

まとめ

大人バレエのスタートは、 まず「自分の体を知る」ことからです。正しい姿勢とは何か、自分の身体の特徴とは何か、どこの筋肉を動かしているのか、体のどこを曲げているのか、などバーや鏡を活用してよく観察してください。バレエのレッスンの中で、少しずつ学べるようなプログラムになっています。

動きのポイントや足のポジション、バレエ用語など、最初は覚えることがたくさんあって混乱すると思いますが、あまり気にせず、まずは自分自身の体を知ることから始めてください。

憧れのバレエを長く楽しく続けるためには、最初から張り切りすぎず、ゆっくりじっくり正しい姿勢で立ち、ゆっくりとウォームアップから始めましょう。

大人のバレエストレッチ教室では、正しく美しい姿勢を学び、健康を維持するためのレッスンを行っています。興味のある方は、体験にいらしてください。

大人のバレエストレッチ

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