卵巣癌になりました

卵巣癌闘病日記
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そのときは突然やってきた。

卵巣癌のⅢ期だと思われます。
大きな病院に紹介状を書きますので、明日すぐに行ってください。

前兆はあったのか?

卵巣癌の告知を受けるまで、何か前兆はなかったのか? 気づくタイミングはなかったのか?
誰もが考えることだと思います。
でも、なかった
卵巣癌の専門医の先生も、卵巣癌は検診がないし、痛みも何もないから、気づかなかくて当然、と言っていた。それくらい音もなくいつの間にか忍び寄ってくる癌らしい。

7月14日に乳腺エコー検査で、かかりつけ医を受診。
親戚に乳がん罹患者がいるので、乳腺エコーは毎年必ず受けて、今年も問題なしとの診断でホッとした。

この頃から、なんとなくお腹が張っていて変な感じだなと。
バレエ講師として、お腹を締めて動かなければいけないのに、いつもの感覚と違って全然お腹が凹まないな、と感じてた。でも、食欲は普段通りだったし、毎日快腸だったから、胃や腸の問題ではないような気がしていて、腸や胃の上に薄く何かが乗っかっているような感じ。

そのことを乳腺エコーの結果を聞いた時にかかりつけ医の先生に訴えたところ、腸はちゃんと動いていそうだけど、まず大腸の検査をしてみましょう、ということになり、人生初の大腸検査を予約。 8月20日に予約を入れて帰った。

昨年11月、父親が胃がんになり、胃の全摘手術を受ける前に大腸検査をして、検査前の準備のつらさを間近で見ていたから、「あー大変そうだな」とやや憂鬱に。でも、とにかくこの気持ち悪いお腹のボワーっとした感じの原因がわかるなら、早くやって欲しい、という気持ちだった。

その父の抗がん剤治療が6月末から始まり、毎週月曜日に通院して抗がん剤を投与するという日々が続いていた。父は、胃の全摘手術をしてから食事の量が減り、だいぶ痩せて体力も落ちる一方だった。毎週病院へ行くのが、本人にとっても付き添う人にとっても大きな負担。私は月曜日の仕事をやめて、なるべく毎週付き添うようにしていた。

清里の楽しい旅から不穏な空気に

7月30日から清里フィールドバレエが開幕!
初日に主演する小野絢子ちゃんと福岡雄大くんのゴールデンペアの『眠れる森の美女』を観に行った。

毎年楽しみにしている野外ステージのバレエ公演で、コロナ禍になる前は、主演ダンサーたちのトークイベントも企画させてもらっていた。真夏でも涼しく快適な清里へ行って、大人のバレエストレッチ教室の生徒さんたちやバレエ好きの友人たち、バレエ講師仲間と現地で会ったりして、楽しい夏休みを過ごしていた。

森の中で観る幻想的な清里フィールドバレエ

この頃には、普段と違うお腹の張りが毎日気になって仕方がない。ちょうど月経中だったから、生理痛とお腹の重たさが一緒になって、月経が終わったら楽になるだろうと思っていた。旅路を一緒にしたバレエの生徒さんたちにはかなり心配されて、せっかく楽しい旅行になるはずが、ちょっと不穏な空気になってしまった。

8月2日に帰ってきた後、お腹の張りと鈍痛みたいなのが気になりつつも、その週は仕事を普段通りこなした。お腹の調子が悪くなってきて、下痢が続いていた。

クリニックのお盆休み中

8月9日(月)が山の日で祝日となり、父の通院が火曜日にずれ込んだ。父のパートナーに付き添いを頼んで、私は通常通りのバレエのレッスン指導とシナジリティトレーニング指導の仕事へGO。

これまでバレエのレッスン指導中に、トイレに行ったことは一度もなかったのに、この日だけは一度中座した。まるで水のように流れ出てきたから。これはちょっと尋常ではないなと思った。でも、この日の仕事はドタキャンできないから、消化の良さそうなものを食べて、高校生のシナトレの指導をした。

早めに帰ってきて、かかりつけのクリニックへ行くと、
8月10日〜8月14日までお盆休み
の張り紙が!!
ガーン・・・とショックを受けて、とぼとぼと帰ってきた。来週までダメだなと諦めて、家で寝ることにした。

この週の仕事で調整できるものは全てキャンセルした。
木曜日の大人バレエのレッスンと、金曜日の父親の血液検査のための通院のみ。
お腹はどんどん張ってくるし、下痢は止まらないけど、父親が体調が悪いにもかかわらず一生懸命夕飯を作ってくれるので、ご飯とお味噌汁は食べた。

木曜日のレッスンはちょっと元気がなかったと言われたけど、なんとか頑張れて、金曜日の父の通院もタクシーを自宅前まで迎車して連れて行けた。父の血液検査の結果は良好でひと安心。
週末は、体がだるくて、ほとんど寝ていたように記憶している。

卵巣癌のⅢ期です。

8月16日(月)

月曜日はクリニックの定休日だから、明日絶対に行こうと思いつつ、どうしても片付けなければならない仕事に取り掛かった。それは、会社の決算。創業して丸7年が過ぎ、8期目を迎えていた会社の決算が8月末に迫っていた。体調不良もあって、先延ばしにしていた面倒な仕事。いや、夏休みの宿題はいつも8月30日から泣きながらやっていたので、体調不良は関係ないか。嫌なことを後回しにするのは私の悪い癖です。税理士さんをいつもギリギリまでお待たせして、ご迷惑をおかけしております。
この日に、決算の処理をやり切った!!

8月17日(火)

いつも通り、火曜日の大人バレエのクラスを教えに行った。この日から父はパートナーの家へ行くことになっていたので、午後に駅まで送り届けて、私はかかりつけのクリニックへ行った。すると、ぽんぽこりんのお腹を見た瞬間に先生が
「腹水が溜まっているから、すぐにCTを撮ってきてください。その場で撮影画像のCD-Rをもらってきて、明日もう一度来てください」と。
電話で近くの造影CTを撮影してくれる所の予約している先生の姿を見て、なんとなく悪い予感がした。この1週間「腹水」とか「お腹が張る 女性」とかで何度もネット検索したけど、子宮筋腫とか肝硬変とかが出てきて、下腹は出てないし、お酒は飲まないし、なんか違うような気がしてた。うーんなんなんだろう?

8月18日(水)

午前中に高校生のシナジリティトレーニングの指導が入っていたから、仕事を終えてから午後の診療時間に合わせて行こうと帰宅すると、自宅にクリニックから留守電が入っていて「とにかく早く来てください」と。これは悪い知らせしかない、と思った。

卵巣癌ですね。段階で言うと、Ⅲ期だと思います。
すぐに大きな病院に紹介状を書きますので、明日すぐに行ってください。

えっ?Ⅲ期? それは重いの?軽いの?どんな段階なの?
ちょっとよく分からないけど、とにかく明日病院へ行くしかないんだ。
待って待って、明日の仕事、どうする?

目の前で、クリニックの先生が大きな病院の予約を取ってくれている最中に、慌てて明日のバレエクラスの代講をしてくれる先生をLINEで探した。幸いにも、1人目に連絡した早川綾子先生が代講を引き受けてくれた。しかも、毎週木曜日のレッスンを代講することもできる、とおっしゃって下さった。これは本当に本当にラッキーだったと思う。

レッスンはお任せできた。
私は治療に集中しよう。

そう思えた。
癌治療が長くかかることは分かってる。叔母も祖母も乳癌だったし、父も胃癌の手術後に抗がん剤治療をしている最中だから、長い戦いを覚悟した瞬間だった。
もし、早川先生に毎週のレッスンを代講していただけなかったら、この時に覚悟はできなかったと思う。なんとなく、本当になんとなくだけれども、私が戻ってこられる場所を守っててくれる仲間がいてくれるから大丈夫、と感じた。

たくさんの人に迷惑をかけるかもしれない。
いろんな人の協力がないと続けられないかもしれない。
でも、甘えてしまおう。

伝える

まず妹に連絡した。どんな会話をしたのか、あまりよく覚えていない。私が治療に専念するために、父の介護をどうするか、というようなことを話したような気がする。
父には、明日落ち着いてから言うことにした。

それから、レッスンの代講をお願いした先生にも卵巣癌が見つかったことを話した。長期にわたって毎週木曜日の代講をお願いするので、事情は説明するべきだと判断した。火曜日クラスも9月の中旬まで引き受けてくださるとのこと。本当にありがたかった。
それと、大人のバレエ教室の事務作業をお願いする方々にも連絡した。お金の管理や会員へのアテンドなど、レッスン以外の諸々をお願いすることができた。

そして、親戚。私は母の実家の隣に住んでいるので、母方の叔母といとこに連絡した。これから、隣に住みながら、サポートしてもらうことがたくさんあると思う。

明日、病院でまた明らかになることがあると思う。先のことは徐々に考えていこう。

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