水球ファンの気ままな日記 #06

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そもそも今回のJOを観戦する目的は、
小学生の水球ってどんなだろう?ということでした。

以前もお話しましたが、私はTEAM01という2004年に非営利活動法人となった水球チームで、水球普及活動をしています。
今年度のNPO法人としての新事業の一つは、小学生のための楽しい水球教室です。
半年ほど前から準備を始め、四苦八苦しながらも、なんとか形になってきています。
その水球教室の目標が、JOを目指す!!ってことで、そのための視察という感じですね。

もちろん、純粋に水球を見たい!!という気持ちもあるわけで、
小学生から高校生まで、全国の強豪チームを一度に見られるのは、
ファンとしては非常に嬉しいし、
全国各地から予選を勝ち抜いてきたチームの監督やコーチにお話を聞けるのも、
かなりお得感があります。

というわけで結局、初日から最終日まで、ずぅぅぅーっと千葉に通ってしまいました・・・
メインプールとダイビングプールを行ったり来たりしながら、
応援したいチームと注目のチームの試合を観戦しました。


 他の区分はトーナメント方式だが、A区分だけは24チームを4グループに分けて予選リーグがある。
これは、試合経験値を増やすための配慮と思われる。
試合は4分×2ピリオドで、決勝トーナメントのみ4ピリオド行われる。
 ちびっ子だというのに、ちゃんとガツガツ水球をやっているのに驚く。
実力の差が歴然としてしまうのは仕方のないことなのかもしれない。
大きい子がいたり、シュートのうまい子がいたりすると得点し易い。
なぜならフィールドは大人よりも小さいのに、ゴールの大きさが大人と同じため、
ゴールキーパーはほとんどシュートを止める事ができない。
大人だってシュートを止めるのは難しいのだから、
体の小さな子供がそのゴールを守ろうとしたって無理だ。
これではいいキーパーは育たないのではないだろうか?
 女の子の活躍が目立っていた。
このまま続けていけば、いい選手になるだろうと思われる選手もたくさんいる。
A区分は男女とも、ヨーロッパの水球強豪国に劣らぬプレーをしているのではないかと思った。
ちびっ子水球教室を始めても、先は長いな…。
楽しい水球をすれば強くはなれない、
強いチームを目指せば、水球の楽しさが半減するかもしれない。
多くの指導者の方々もこの狭間で葛藤されているのではないだろうか。
楽しくワイワイ水球をやっているチームを見ると、なぜかホッとした。

優勝 山形水球クラブ(山形)
2位 与野水球クラブ(埼玉)
3位 カワサキスイミングクラブ(神奈川)
4位 京都YMCA(京都)

トーナメント方式で5分×4ピリオド行われる。
フィールドは公式のものと同じなので、体力も必要となる。
各地から予選を勝ち抜いてきているだけあって、見ていて面白い。
ずば抜けて強いのは、前評判どおりの群馬ジュニア。
与野と9-2、秋田と14-6、石川と21-3、として決勝のカワサキとも11-4で力の差を見せ付けた。
どんな気持ちで水球をやっているのだろう?と疑問に思った。
 ブダペストで会った富山Water Polo Clubの子達が、
夏よりもずいぶん成長していたのが嬉しかった。
屈託のない笑顔で雑談するときと試合のときではずいぶんと違う。
セルビアで見た東欧水球スタイルを目指してるのがよく分かった。
「バスの中でワールドリーグのビデオを見てきたんだ!!」と嬉しそうに話していたのが印象的。
それほどに世界トップの水球を満席の会場で見た経験は、強烈に彼らの心の中に刻まれているのだろう。

優勝 群馬Jr.水球(群馬)
2位 カワサキスイミングクラブ(神奈川)
3位 富山ウォーターポロクラブ(富山)
4位 石川水球クラブ(石川)


 トーナメント方式で、なぜか4分×2ピリオド。
時間はA区分の小学生と同じ扱いで、トーナメントだから、2ピリオドで負けたチームのことを思うと切ない。
それでも多くのチームが出場しているから、女子の未来は明るいのではないか、と思う。
なかなかチームがなかったり、試合がなかったりして、厳しい環境の中にあるが、
それでもやはり女子は健在だと思った。
残念だったのは、ダイビングプールで行われている試合のチーム名も点数も、
客席からほとんど見えないこと。AとC区分の試合は、途中から見ると何も分からない。
アナウンスも聞こえ難い。関係者以外の観客は来ないのが前提か?
 この前、訪問したコナミスポーツクラブ明石西新町の選手たちが
足のつくプールで練習していたのを思い出しながら、優勝するのを見た。
そして、女の子たちの黄色い声援や可愛らしい選手紹介でのパフォーマンスを見て、
微笑ましい雰囲気を味わった。

優勝 コナミスポーツクラブ明石西新町(兵庫)
2位 川口スイミングクラブ(埼玉)
3位 山形水球クラブ(山形)
4位 富士見中学校(東京)

JOの見せ場といえば、D区分の決勝トーナメントだ。7分×4ピリオドで、
いわゆる公式ルールに則って行われる。
とはいっても、今回のJOは旧ルールで、現在の水球公式ルールは8分×4ピリオドで、
時間以外にも多くの変更がある。
モントリオール世界選手権後の9月から実際に使われているルールだが、
日本は4月が年度始めということで、今回のJOまで旧ルールで行われた。
 東京人の私は、個人的には東京クラブを応援していたが、
AMATIASはどんな水球をするのか、バルセロナ遠征を行っていた前橋商業の強さにも注目していた。
コイツはすごいぞ!!という印象はなかったにもかかわらず、東京クラブが接戦を制し、
優勝してしまった。
粒ぞろいのチームといっていいだろう。
優勝候補であったAMATIASは、準決勝で江津高校にまさかの敗戦。敗因は何だったのだろう??? 
気になったのは、レフリングの傾向だ。
JOすべての区分の試合で、レフリーに対する違和感を覚えることが多かった。
私は、水球のことは分からないため、「ん?」と思うような判定があるかどうか、
ということを基準に試合を見ている。
レフリングテクニックについて、とやかく言うつもりはない。
要は、同じ基準で見ているかどうか?ということである。
人間だから間違いがあるのは仕方がない。
ただ、見ている人にも明確で、プレーヤーが安全に試合をすることができる
環境作りをしてくれればいいのだ。
敗因をレフリーのせいにする馬鹿なプレーヤーはいない。
 高校野球や高校バレーを見て、感動することはよくある。
高校生という限られた時間の中で結果を残さなければならない瞬間の輝きを見ることができるからだ。
このJOもそれとなんら変わりはない。

優勝 東京クラブ(東京)
2位 島根県立江津高校(島根)
3位 AMATIAS(埼玉)
4位 鳥取県立鳥取中央育英高校

観客席の後ろから見ていて、
本当にいろんな人たちがこの大会にかかわっていることを実感しました。
そのどれかひとつが欠けても、この大会は成り立たないのです。

知らない人には、水球を知ってもらう、水球に触れてもらう場所を提供したい。
既に知っている人には、水球を続けられる、水球が上達する環境を作りたい。
そして、もっとよく知っている人には、水球が仕事になるようにしたい。

NPO法人TEAM01を拠点にしての水球普及活動は、まだ始まったばかり。
   こいつ、いつまで叶わぬ夢ばかり見てるんだ・・・?
と思っている方も、きっと多いのではないでしょうか。
確かに、夢を追っているのは事実。
叶わないかもしれない、というのも事実。
でも、そんなに大それた事をしようというのではありません。
ただ、JOで眺めた『水球にいろんな形で触れている人たち』がいる空間を、
もっともっと広げていこう、という活動をしようというだけなのです。

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発行者名:にーあや
水球というマイナースポーツに魅せられ、思い立ったようにバルセロナへ行って早2年。アテネオリンピックをきっかけに、水球王国ハンガリーを拠点にすることを決意。日本への一時帰国資金をブダペスト生活に注ぎ込み、マジャール水球を中心に世界水泳、オリンピックなど世界の水球観戦ライフを満喫。2005年秋、2年半ぶりに日本に帰国し、水球ファンを継続中。

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