気ままにバルセロナ生活 #43

ぶらり旅
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ご無沙汰してしまいました。すみません。
あっという間に一ヶ月が経ちました。
二年近く滞在しているバルセロナでは、常に忙しい日々が続いていました。
忙しいのは、それだけやることがあるということなので、幸せなのですが、
さすがの私もここ最近のスケジュールには、参ってしまいました。

4月末から始めた水泳コーチ資格コースが、思ったよりも難しかったからです。
スペイン人たちと一緒に授業を受けるのは、やはり簡単ではないですね。
水泳指導法、生理学、教育心理学、救助法などの学科と実技試験・・・
日本では水上安全法、中学・高校の理科教員免許を持っている私ですが、
一般的なスペイン語辞書に載っていない特別な単語がたくさん出てくるので、
短期間でこれらの講義内容を理解するのは、並大抵のことではありませんでした。
毎週毎週、各学科の担当教員のテストがあり、
コース最終日にはスペイン水泳連盟が実施する全教科のテストを受け、
その両方に合格しなければ、この資格は与えられません。
もちろん、合格できるはずもないと分かってはいましたが、
最初から諦めるのはあまりにも情けないじゃなですか!!
自分で選んだコースですから、
駄目でもとりあえず頑張ってみないと気が済まないのです。
残り少ないバルセロナ生活を思い切り楽しみたいという気持ちを押し殺し、
とにかく毎日、辞書と格闘してみました。

このコースを受講しながら、日本との水泳指導方法についての違いを強く感じました。
まず、こちらでは足の付かない深いプールが多いため、
それに対応した指導方法があること。
そして、子供の将来性を考え、あらゆる水泳競技を見据えた指導を行うこと。

まだ歩けるようになったばかりの2歳児くらいから、水泳教室は始まります。
背中に浮き輪を付け、水に慣れさせつつ、深いプールへと促します。
2歳児の初日は指導員も水に入りますが、それ以降はプールサイドからの指示を出すだけ。
身体に装着していた浮き輪は、上達の程度により、徐々に外され、
ビート板やボール、腕にはめる浮き具などに変えられてゆきます。
最終的に、浮き具なしで水に入れるようにするのが、指導員の目標です。
驚くことは指導員が決して水に入らないこと。
プールサイドから全体の様子を見ながら、指示を出すだけです。
日本の子供の水泳教室ではありえないのではないでしょうか。

そして、泳げるようになった5-6歳くらいの子供たちへの指導方法ですが、
競泳、シンクロ、水球、飛び込みの全ての要素を含む練習を遊びの形で行います。
例えば、まっすぐ泳ぎながら速さを競う(競泳)、深いプールでのボール遊び(水球)、
泳いでいる途中でターンや体の縦軸の回転をさせ、方向転換をさせる(シンクロ)、
スタート台からいろんな形(脚から、頭から、膝からなど)で飛び込む(飛び込み)
など、まだ競技には程遠いけれど、楽しみながら全ての競技に触れることができるよう
指導方法にバリエーションがあります。
コースロープを鉄棒代わりにして、何回も前回りをさせたり、
笛の音で、泳ぐ方向を変えて、目標地点まで競争させたり、
変な飛び込み方法チャンピオンを競ったり・・・
見ているだけでも面白い水泳教室です。
こういった内容を知ることができただけでも、このコースを受けた甲斐がありました。
苦労はしましたけど、授業内容はとても興味深いものばかりでした。

最終テストが終わったその日、あのFarago Tamasハンガリー女子代表監督に再会しました。
バルセロナで女子国際トーナメント「Ciutat de Barcelona」が行われ、
イタリア、ハンガリー、ロシア、スペイン代表が集まっていたためです。
Farago監督もPetrobic第二監督も選手たちもみんな私のことを覚えていてくれ、
久し振りの再会に、感動しました。
偶然にも水泳コーチコースを一緒に受けていた、もう一人の外国人が、
ハンガリー人の女の子で、なんと水球ファン。
一緒に3日間の試合を観戦しました。
<結果>
6月10日 第1試合 HUN 8-4 RUS、第2試合 ESP 4-7 ITA
6月11日 第1試合 HUN 7-7 ITA、第2試合 ESP 9-10 RUS
6月12日 第1試合 ITA 9-7 RUS、第2試合 ESP 7-12 HUN
第1位 ハンガリー、第2位 イタリア、第3位 ロシア、第4位スペインとなりました。

ハンガリーは、どの試合もほぼ自分のペースで展開していました。
アテネの優勝国イタリアとの試合では、第2ピリオドまでで、
ハンガリーが3点リードしていたものの、後半追い上げられ、同点で終わりました。
アテネでもイタリアチームの後半の粘りは、目を見張るものがありました。
モントリオールでも最後まで諦めないゲームを展開してくれるに違いありません。
意外と目立たなかったのがロシアチームです。
体格の大きい選手を揃えた迫力のあるチームですが、
活かしきれていない感がありました。
スペインは、今回もレフリングの違いに適応しきれていないようでした。
3月にマドリッドで行われた世界選手権予選でも同じような傾向が見られましたが、
国内でのレフリングと違う笛を吹かれると、異常に反応し、
それに固執してプレーに集中できないという状況が何回かありました。
こういったレフリングの基準の違いは、多かれ少なかれどの国でもあります。
しかし、一度国際試合の舞台に立ったなら、必要以上の抗議はマイナスです。
次々と展開されてゆくプレーに集中するべきではないでしょうか。
今回はスペインで開催された試合だったこともあり、観客もスペイン人、
アナウンスもスペイン語ということで、国際試合という意識が欠如したのかもしれません。

さて、徹夜でテスト勉強をした日から、怒涛の一週間が終わりました。
テストを受け、水球観戦し、多くのお世話になった方々、水球の監督や選手たち、
スペイン語を共に学んだ友達、バルセロナで出会った多くの人たちに毎日会って、
最後にGran Fiesta(大パーティー)をしました。
20人だか30人だか、数えられないほどの友達が来てくれました。
そして、私はバルセロナから卒業し、ブダペストへと再びやってきました。
まだまだ水球を追うために。

のんびりいろんなものを見て、
いろんなことをやって、
いろんな人と出会って、
バルセロナを生きましょう。

これからもメールマガジンを続けてゆきます。
応援よろしくお願いいたします。
*にーあや* 感想をお待ちしています

Macky!メールマガジン「Viva Barcelona!」
発行者名:ni-aya
水球に魅せられて早や2年。世界水泳をきっかけに、バルセロナまで来てしまいました。 2年間ここで水球観戦しながら、のんびりスペイン生活を自由気ままに満喫します。スペインが好きな人、水球を知りたい人、バルセロナに興味がある方はぜひぜひご覧あれ!!
2004年のアテネオリンピックをきっかけに、水球が国技のハンガリー・ブダペストに魅せられて移住。日本へ一時帰国するのをやめて、そのお金をブダペスト生活に注ぎ込み、マジャール水球を自由気ままに満喫しています。

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