気ままにバルセロナ生活 #27

ぶらり旅
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あっという間に終わってしまいました。アテネ・オリンピック。
祭りの後の寂しさは、何ともいえないですね。
本当はホットな情報をお届けしたかったのですが、
毎日の水球観戦に加えて、競泳やら野球やらバスケットボールやら…
日本選手陣の応援に走り回っていたので、できませんでした。
すみません。
結局、水球は、女子はイタリア、男子はハンガリーが優勝しました。
どちらも納得の結果だったと思います。
スペインは…6位。

女子の試合は、予想を覆すものばかりでした。
特に、ギリシャチームの活躍たるや、目を見張るものがありました。
始めの頃は、そんなに大して上手いという風にも見えなかったのですが、
勢いに乗るとか、運を引き寄せるという言葉がまさにぴったりのチームでした。
昨年の世界選手権で9位だったギリシャが、オーストラリアやロシアを下し、
決勝戦でイタリアと接戦を演じるまでになったのには、本当に驚きです。
この勝利の連続の影には、監督の戦略がありました。
それは前半で勝負を決めるという事。
オリンピック期間中のほとんどのゲームで、ギリシャチームは第1ピリオド中、
または第2ピリオドの前半までにたった2回しか与えられないタイムアウトを
惜しみなく使っていました。
最初は、1―1の同点になった時、
そして次は2点差、3点差になった時。
前半でギリシャに3点も4点も差を付けられると、
たいていのチームは焦り始め、攻撃時間を有効に使わずに、シュートを早打ちしたり、
つまらないパスミスをしたりし、チームワークが崩れてきます。
その上、競泳よりも水球が人気の高いスポーツであるギリシャでは、
客席の9割以上が青い国旗を掲げるギリシャ人なのです。
地響きにも似たブーイング、客席を揺さぶる声援がレフリーの笛の音も消します。
この中で、3点差をひっくり返す事は、至難の技です。
決勝戦のイタリアには、残念ながらこの方法も効かなかったようですが、
ロシアチームが水球が出来なくなるほどの効果を与えたこの戦略は、
思い切りが良いというか、潔いというよりほかありません。

男子ハンガリーは、始めから負け無しでした。
強豪が集ったAグループで、
セルビア・モンテネグロ、クロアチア、ロシアに競り勝ち、
その堅い守備と隙の無い攻撃力は、初戦から金メダルを予想させるものでした。
オリンピック直前のユニカムカップ(ブダペストにて)でも、
ハンガリーの強さは群を抜いていましたから、まさに納得の優勝。
私個人的には、2位だったセルビア・モンテネグロに金メダルをあげたかった。
なぜなら、初戦ハンガリーに負け、その後、その敗戦をきちんと分析し、
チームを立て直して、その他のゲームはすべて勝利し、
再び決勝でハンガリーと対戦した時も、終始流れをコントロールして、
最後まで勝ちにいくゲーム運びをしていたからです。
このオリンピック期間中に、明らかに調子が上がってきていることがわかりました。
ホームであるギリシャとの準決勝では、前半から点を取りに行く攻撃と、
退水時の完璧な守備で、客席の大半を占めるギリシャ人観客の応援もものともせず、
7―3で圧勝した姿は、とても印象的でした。
例え点差が開いても、微妙なジャッジをされても、客席からブーイングを言われても、
動じることなく、自分たちの水球をしっかりと続ける事が出来る、
そんな精神的な強さをもったチームが、今回のオリンピックを制したのです。
決勝で、明らかにセルビア・モンテネグロの流れになっていたにもかかわらず、
慌てず、焦らず、逆転劇を演じたハンガリーは、本当に世界一強いという事でしょう。

オリンピックを始めから終わりまで見る事ができ、
たくさんのいい出会いに恵まれ、本当にいい経験をさせてもらいました。
これは、私の財産になります。
久し振りにお会いできた水球関係の方々と水球についてお話しできたことは、
一時帰国をしていない私にとって、非常に嬉しくもあり、
また、今後の自分の活動においても、とてもありがたい事でした。
観客席で出会ったスペイン応援団の人たち、
日本女子バスケットボール代表の選手のご家族、
はっぴを着て、あちこちの会場を駆け巡るサッカーのサポーターたち、
日本応援用の日の丸Tシャツ2004枚を作って、配っていた学生たち、
スペインの国旗を私の顔に書いてくれたハンガリー水球のサポーターたち、
男子マラソンの応援に来ていた諏訪選手の学生時代の同期のお友達、
日本人のためのインターネットカフェを作っていた方々、
ほぼ毎日通った美味しいGyro屋さんのおじさん、
ただ隣に座っただけだけれど、一緒に話して、応援した人たち。
名前も住所も聞かないけれど、オリンピックという時間を共有し、
楽しんだ人たちがたくさんいました。
閉会式を見て、開会式では国別に入場してきた選手たちが、
最後はみんな一緒になって、
ぐちゃぐちゃになって騒いでいるのを見て、素晴らしいなと思いましたが、
気が付けば、自分もそれと同じように、どこの国とも、誰ともわからず、
ただ偶然一緒にいるという事だけで、その場を楽しんでいました。
これがオリンピックなのか。
終わってみて、初めて気付きました。
これが、平和の祭典、オリンピックなのだ、と。

オリンピック前から数々の情報を下さり、私の滞在場所を提供して下さった、
カイトサーフのインストラクターである、やすさんとみわさんに出会えた事は、
本当に幸運だったとしか言いようがありません。
私は、もう少しここに居残り、オリンピックの後のアテネを見届け、
カイトサーフを体験してから、バルセロナへ帰ります。
ところで、カイトサーフってご存知ですか?
アテネにいらした時は、ぜひ体験してみて下さい。
次回は、カイトサーフ体験談。

にーあや
感想をお待ちしています!
水球通信連載投稿中!! http://www.swimnews-japan.com/ ※2010年閉鎖

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発行者名:ni-aya
水球に魅せられて早や2年。世界水泳をきっかけに、バルセロナまで来てしまいました。 2年間ここで水球観戦しながら、のんびりスペイン生活を自由気ままに満喫します。スペインが好きな人、水球を知りたい人、バルセロナに興味がある方はぜひぜひご覧あれ!!

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