清里フィールドバレエ2023〜小野絢子&ルーカスの「くるみ割り人形」〜

バレエ鑑賞ガイド
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7月27日から開幕している第34回清里フィールドバレエ。
私は28日から清里入りし、小野絢子&福岡雄大ペアと、29日の佐々木万璃子&ルーカス.B.ブレンツロペアを観たくてチケットを購入していた。

バレエの余韻に浸る幸せな時間

昨日は雨上がりのシンとした空気の中で上演され、去年は叶わなかった小野絢子&福岡雄大ペアの珠玉のグラン・パ・ド・ドゥを観ることができて幸せだった。

19時開演のバレエ公演前は、レストランROCKに並んで名物のカレーとクラフトビールをいただき、いい気分で会場に向かい、21時過ぎに終演した後もROCKに立ち寄って、ソフトクリームを食べながら、素晴らしい舞台の余韻に浸る。

萌木の村でバレエ三昧の空気の中にいると、寝ても覚めてもバレエの世界の中にいられる。バレエ好きの人間にとって、こんな幸せな時間はないと思う。

レストランROCKにあるバレエの展示

佐々木万璃子ちゃんが怪我で降板!小野絢子ちゃんが連日踊ることに

そんな余韻に浸っていた朝、清里フィールドバレエ公式SNSから衝撃のニュースが飛び込んできた。佐々木万璃子ちゃんが初日の公演で怪我をしたため出演できなくなり、代わりに小野絢子ちゃんが金平糖の女王を踊るとのこと。王子は予定通りルーカスが踊るということで、7月29日は小野絢子&ルーカスペアが主演することになった。

佐々木万璃子ちゃんは、英国ロイヤル・バレエ団でソリストとして活躍しておられ、昨年は「くるみ割り人形」の金平糖の精を踊った今をときめくバレエダンサーのお一人。→Instagram
2017年にやったトークイベントでは、ロイヤル・バレエ団での生活についてお話をしてくださり、初々しくも美しいジゼルを踊っていた。あのトークイベントで、私はすっかり万璃子ちゃんのファンになり、今回の公演を楽しみにしていたから、観ることができなくなってとても残念。
ダンサーにとって怪我は常に隣り合わせであり、怪我で急にキャスト変更することは珍しいことではない。今回は、万璃子ちゃんのバレエを観ることができず残念だったけれど、いつか観られる日が来ることを信じて、少しでも早く怪我が治ることを祈るばかり。

ルーカスくんは、バレエファンの中ではちょっとした有名人。2014年に公開された北欧発のドキュメンタリー映画「バレエボーイズ」に出てきた少年だったから。現在は、英国ロイヤル・バレエ団のソリストとして活躍しており、佐々木万璃子ちゃんの公私共にパートナーでもある。→Instagram

あのほっぺの赤い少年だったルーカスくんが、日本で小野絢子ちゃんと踊る日が来るなんて、誰が想像しただろうか。

オルゴール博物館でのバレエ衣裳展

萌木の村の中にはオルゴール博物館があり、世界中から集められた貴重なオルゴールを見て、その音色を聴くことができる。オルゴール博物館の1階では「バレエ衣裳展」をやっていて、誰でも無料で見ることができるようになっている。

バレエシャンブルウエストの川口ゆり子先生が所蔵しておられる衣裳で、衣裳作家の大井昌子先生が丁寧に作られた素晴らしい衣裳たちを間近で見ることができる。衣裳の美しさ、細やかなスパンコールの豪華さ、動きやすさを追求した仕立てなど、手仕事の凄さにはもちろん圧倒されるのだが、ダンサーの体の細さも実際に見ると驚いてしまう。

学生時代の私は痩せられず、先生に「あなたが着られる衣裳はありません!衣裳に体を合わせてもらいます」と言われたが、本当にバレエダンサーってすごく細い。この細い体のどこに踊り続けるエネルギーやパワーがあるのか、と思うほど。

こんな美しいバレエ衣裳を間近で見られる機会は滅多にないので、清里フィールドバレエに来たら、ぜひ衣裳展にも立ち寄って欲しい。

7月29日:小野絢子さん&ルーカスくん主演の「くるみ割り人形」

今日は天気が良くて、雨の心配は一切なし。萌木の村の社長、スーパーマンTシャツがトレードマークの舩木上次さんもご機嫌でご挨拶。

夢の中のネズミと戦うシーンから登場したルーカスくんは、背が高くて脚が長くて、くるみ割り人形の被り物をしていても白いタイツ姿だけであまりにも美しすぎた。そして、人形から王子に変身したら、観客席からため息が出るほどさらに美しいお姿に!あぁ、これが本物の王子様だわ〜と夢を見ているような感覚に陥った。とにかくプロポーションが美しいし、ポールドブラ(腕の使い方)も美しいし、所作も美しい。

2幕の小野絢子ちゃんとルーカスくんのグラン・パ・ド・ドゥは、もう完璧すぎて凄かった(語彙力なさすぎ)。リハーサルで2回くらいしか合わせていなかったらしいけれど、非の打ち所がない本当に完璧なバレエだった。くるみのグランは、最初のアダージオが長くて、難しいリフトもあって、大変な踊りなんだけれど、さすがプロのお二人は何事もなかったようにさらりと魅せてくれた。

ルーカスくんがとても大きくて、安心感のあるリフトやサポートだったし、絢子ちゃんの金平糖の女王は、昨日よりも少し温かみがあるように感じた。お二人にとっては仕事をきっちりやったということなのかもしれないけれど、踊る相手が変わることで表現の仕方や視線が変わったと思うし、清里の自然が織りなす空気感や初めて組むお二人のパートナーリングの化学反応があって、まさに一期一会の素晴らしい公演を拝見することができて本当に幸せな夜だったなぁと思う。

小野絢子ちゃんとルーカスくんのカーテンコール

バレエ鑑賞はやめられない!

清里の爽やかな空気の中で、素晴らしいバレエを観ることができて、今年も大満足のバレエ鑑賞旅だった。今回の旅の中でとても嬉しかったのは、会場で運営をされているスタッフの皆さんやボランティアをされていた方々が声をかけてくださったこと。

バレエ公演は、信じられないくらい多くの方々に支えられている。準備期間も長いし、本番の時間もそれ以外の時間も、始まる前から終わった後まで、とにかくいろんな仕事がある。裏方の支えがあって、初めて舞台上が輝いて見える。清里フィールドバレエに行くと、そういうところも垣間見える。それがいい。いつかまた私も支える側をお手伝いできたらいいなと思う。

第34回 清里フィールドバレエ
https://www.fieldballet.com
日時:2023年7月27日(木)〜8月7日(月)
会場:清里高原 萌木の村 特設野外劇場

最終日までお天気に恵まれますように!!

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