昨日から手術後の歩行訓練をすることになった。座るだけでもかなり苦しいのに、歩けるとは到底思えなかったが、とにかく歩け歩けと言われるので、とりあえず歩いてみることにした。
回復していけるという希望
昨日できなかった歩行訓練にリベンジ。起き上がるだけでもやはり胸が苦しく、辛いのは変わらないが、今日は歩くことができた。とは言っても10歩位だけ。ベッドの周りを左から右にぐるっと回っただけだった。
それでも歩けたという達成感はあった。そのまままたベッドに倒れこむようになってしまったが、昨日よりは今日、今日よりも明日と言うように、少しずつ回復していけるのだろうと希望が持てた。
父の場合はどうだったのだろう?
改めて父のことを思い出してみた。ストーマの説明をしてくれた先生に、父はストーマの扱い方を学ぼうとしていたことを聞いた。私は結局その後寝たきりの状態の父しか見ることができなかったが、腹くう腹膜炎の手術の後も、元の生活に戻ろうとしていたんだろうと思うと涙が出てきた。
今私は日に日に自分が回復しているという実感があるから頑張れる。多少痛くても多少辛くても、明日には少しは改善しているだろうと思えるから頑張れる。
しかし父はどうだったのだろうか?
もしかしたら、もうこれ以上回復しないのではないか、体を動かすことはもう難しいのではないかと思い、絶望してしまったのではないだろうか。もし自分がその立場だったら、やっぱり死にたいと思うと思う。私が面会したときには、すでに父は死にたい早く殺してくれと私に言っていた。その時の父の状況は、1人で動くこともままならず、右手にナースコールを握りしめ、床ずれのお尻が痛くなるとそのナースコールを押すと言う事しかできていなかった。
体が動かしたいのに動かせない辛さは今の自分にも分かる。痛いとか苦しいとかそういうことではなく、自分の体を自分の思い通りに動かすことができないと言う苦しさは本当に辛い。
それが今後一生涯続いていくあるいはもうこれ以上回復の見込みがないと言うふうに自分が思ってしまったら、私も生きる希望が持てないかもしれないと思った。その時の父の気持ちを考えると、涙が止まらない。
本当に親不孝の娘で申し訳なかったなと思う。
この卵巣癌闘病に関するブログは、私個人が感じたことや体験したことを思うがままに書き、自分の記録として残しているものです。治療の方法や方針・考え方・症状などは、病状や癌の種類・個人の体質によって様々ですので、コピーや転載はご遠慮下さい。
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