気ままにブダペスト生活 #52

ぶらり旅
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ブダペストは、すっかり肌寒くなりました。
待ちに待った水球シーズンが始まり、約1ヶ月ぶりの水球観戦。
Magyar Kupa(ハンガリーカップ)の3位決定戦と決勝を見てきました。

9月上旬から予選が各地で行われ、その結果、
王者Domino-BHSEとSzeged(セゲド)が3位決定戦へ、
決勝は水球の町Eger(エゲル)と代表選手揃いのVasas(ヴァーシャシュ)となりました。
会場は、VasasのホームであるKomjadi(コミアーディ)プールで、
入場料は、1400Ft(約800円)。
いつものように決勝は、テレビで生中継され、1000人近くの観客が居ました。

<結果>
決勝:Vasas 13-12 Eger
3位決定戦:Domino 9-8 Szeged

はらはらドキドキの展開をしたとはいえ、やっぱり脚本通りのVasas優勝。
1点をめぐるシーソーゲームを繰り広げ、Eger優勝かと思わせる場面もありましたが、
結局、最後に底力を見せたVasasが優勝しました。
Dominoは、代表選手をほとんど使っていたにもかかわらず精彩を欠き、
3点も差をつけていたところから、
若手選手の勢いに押されて、一時は同点まで追い込まれました。
ハンガリー代表でも、若手の投入が起こっており、
シドニー、アテネ2連覇した選手たちの席を脅かしつつあります。
それだけ、良い選手が育っている事であり、層の厚さを感じます。

さて、今日の試合で何に注目したかって、それはやっぱり、
新ルールの適用です。
7月のモントリオール世界選手権で、FINAの技術委員会が大幅にルール改正をしました。
1ピリオドを7分から8分に増やして、ハーフタイムに5分の休憩を入れたり、
ペナルティーシュートもフリースローからの直接シュートも5mラインにしたり、
攻撃時間を35秒から30秒に減らしたり、
ゴール前のディフェンスで、両腕を上げてはいけないことにしたり…etc
いろいろ変わりました。
それで、選手も審判も動揺を隠せない状態のまま9月中旬から施行され、
今回のMagyar Kupaも新ルールで行われました。

まず、一番気になったのは、攻撃時間が短いことでした。
今まで、攻撃体勢を整えてから、シュートを打つまでに、
世界のチームで、だいたい20秒くらいでした。
それが5秒短くなったことで、
フローターの状態を見て、攻撃スタイルを決定する余裕がなくなり、
退水が起きなければ、外周からのシュートを打つというのが多く見られました。

いち早く自分の位置取りをしようとして、激しいコンタクトプレーもありました。
審判のファールを取るタイミングが少し遅れると、選手同士が白熱して、
コントロールしきれない状態に陥るような傾向もありました。

両腕を上げないディフェンスのおかげで、
ミドルやロングシュートは入りやすくなりましたが、
キーパーのセーブ能力が明確に分かるようになり、
一方、シューターの決定率も結果に大きく影響するようになりました。
個々のプレーヤーの責任が大きくなった気がします。

そして、カウンターが増えました。
攻撃態勢に入って、フローターの様子を見ながら、2,3回パスしているうちに、
もう残りは5秒くらいです。
5秒を切った時点で、カウンターが飛び出し、
時間ぎりぎりに打ったシュートを止めたキーパーかディフェンサーが、
カウンターにパスしてシュート。
ディフェンサーに当たってゴール側にボールが飛び出しても、
コーナースローにならないので、ラリーが多く見られました。

また、相手の攻撃時間を減らすという目的で、
プレスディフェンスも有効なようです。
例えば、キーパーからの第一投目に当たりに行くことで、
スムーズな攻撃体勢作りを阻止するという方法も良いのではないでしょうか?

可笑しかったのは、5分間のハーフタイムを利用して、
シンクロのショーが行われていたときの事。
プールでクールダウンしていた選手のすぐ横でショーが行われており、
何度も選手たちが「邪魔だなぁ」と言わんばかりに、避けて泳いでいた事です。

まだ慣れないために、
間違えて、両腕を上げそうになってしまった選手や、
その反則を見過ごしてしまった審判や、
それを抗議した監督にイエローカードが出たり、
両腕を上げたかどうか微妙なところで観客がブーイングをしたり、
ミスジャッジも何回か見られました。

今後は、このルールにいち早く適応していくことが重要だと思います。
みんなが困惑している状態のときに、ルールを熟知し、
使い分けることで、新しい水球の形を作り上げる。
そうすれば、日本チームも、チャンスがあるのではないか?
何か良いアイディアが浮かんだ方は、ぜひ教えてください!

国内リーグ戦は、来週開幕!!

*にーあや* 感想をお待ちしています

Macky!メールマガジン「Viva Barcelona!」
発行者名:ni-aya
水球に魅せられて早や2年。世界水泳をきっかけに、バルセロナまで来てしまいました。 2年間ここで水球観戦しながら、のんびりスペイン生活を自由気ままに満喫します。スペインが好きな人、水球を知りたい人、バルセロナに興味がある方はぜひぜひご覧あれ!!
2004年のアテネオリンピックをきっかけに、水球が国技のハンガリー・ブダペストに魅せられて移住。日本へ一時帰国するのをやめて、そのお金をブダペスト生活に注ぎ込み、マジャール水球を自由気ままに満喫しています。

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