とうとう8月になりました。
アテネオリンピックも、もうすぐ。
私はオリンピック直前の水球国際試合を見るために、
ハンガリーのブダペストに来ました。
水球が国技のひとつだというハンガリーで水球観戦をすることは、私の夢でもありました。
ハンガリーの実力を見る、というよりも、どんな会場で、どの位の観客が集まり、
どれだけ盛り上がるのか、非常に興味があったのです。
このUnicum Cupには、ハンガリー、ギリシャ、ドイツ、スペインが参加し、
トーナメントを行いました。
私はバルセロナを出る直前まで、スペインナショナルチームを追ってましたので、
監督のJoan氏には、ブダペストで再会する事は伝えてありました。
しかし選手達は、まさか私がブダペストのマルギット島まで
水球を見に来るとは思いもせず、本当に驚いていました。
30日第1試合目、スペインは、いきなりハンガリーと当たりました。
天気は、あいにくの雨。プールは屋外でしたが、客席はほぼ満席です。
私は久し振りに水球が観戦でき、しかもスペインの選手達のプレーが見られることで、
とてもわくわくしていました。
しかし、試合は最悪。
7-1でスペインは負け、観客席のハンガリー人たちの笑い者になってしまいました。
シュート数は、どちらのチームも20本、しかしスペインがゴールしたのは、
イワン・ペレス選手の退水ゾーン、1本だけ。
久し振りにキーパーとして出場したロヤン選手の頑張りも虚しく、
いつもの切れ味のいいシュートがまったく見られなかった試合でした。
ハンガリーが実力的に上なのは、誰の目にも明らかでしたが、
それにしてもこの試合は、ひどすぎました。
2試合目のドイツ対ギリシャは、10-7でした。
31日第1試合目、ハンガリー対ドイツは、ドイツの先制から始まり、
前半まではかなり競った試合展開になりました。
しかし、後半、疲れでちょっとしたミスがドイツに目立ち、
そのチャンスをきっちりものにしたハンガリーがあっという間に点差を広げ、
結局、15対8でハンガリーの勝利。
2試合目は、マヨルカ島でも接戦を見せたギリシャ対スペイン。
前日の嫌なムードがまだ漂っているスペインは、この日もなかなか波に乗れません。
いつもムードメーカーとして活躍するガブリエル・エルナンデス選手が、
ことごとくシュートを外し、どうもチーム全体の動きが悪いのです。
常に1点差をつけられ、なかなか逆転できません。
第3ピリオドで2点差までつけられ、やっぱり今日もダメかと思いましたが、
最終ピリオドでイワン・ペレス選手とダニエル・バジャート選手が決めてくれ、
なんとか同点まで追いつき、6対6で試合を終えました。
昨日よりはマシだと監督はおっしゃっていましたが、
まだなんとなく上手く調子を上げてきていない感じがするのは、私だけではないはず。
最終日、天気は快晴。第1試合目はなんと朝の9時半からドイツ対スペインです。
スペインチームがこの日の午後1時の便で帰国する関係で、早朝からの試合となりました。
それでも会場には、水球ファンが会場の半分くらいを埋めていました。
開始2分の間に、2点もゴールを許してしまったスペインは、
またも嫌な予感が漂いました。
しかし、調子を上げてきたダニエル・バジャートが1点目を決め、
それをきっかけに続いてセルジ、ガブリエルとスペインのスター達がゴールを決めます。
対ドイツ戦では、いつもの事だというけれど、
選手同士のいざこざが起こり、途中、退水ファールの直後に殴り合いのケンカになりました。
どうやらドイツのフローターが故意に肘で顔を突いたことに対して、
キレたスペイン選手がガツッと一発顔を殴ったらしいのですが、
そのドイツ選手の唇が切れて、大量の血が流れてました。
もうそれからドイツ側のプレーはどんどん荒くなり、
スペインは確実にセットプレーでゴールを決めてゆきましたが、
途中で何度も口喧嘩、いまにも飛び掛りそうな勢いの小競り合いがありました。
結果は、8対5でスペインが勝ちましたが、
ガブリエルは、以前怪我をした親指をもう一度傷めてしまい、
セルジは顔を頭突かれた上、人差し指を傷めてしまいました。
水球で、怪我は珍しくない事だけれど、オリンピック前でちょっと心配。
試合が終わって慌しく岐路に着いたスペインチームでしたが、
バスを見送りに行った私に、みんな声をかけてくれ、
「次はアテネで会おう!!」と言ってくれました。
こんな温かい選手達に囲まれて、本当に幸せでした。
最終試合のハンガリー対ギリシャは10対7で、
終わってみれば、ハンガリーの圧勝、2位がスペイン、3位がドイツでした。
やはりハンガリーは頭一つ抜けている感じがしましたね。
体の大きな選手を揃えたハンガリーは、チームワークもまとまっていたし、
もちろん個々の実力もハイレベルで、なにしろミスがなかった。
私はイタリアの水球を見ていないのですが、
どうやらイタリアとハンガリーがいい勝負をするだろう、
というのが水球界の予想みたいです。
ハンガリーで、たくさんの観客、サポーターに囲まれ、
目を見張るようなプレーを次々と繰り広げる選手達を見ていて、
スペインよりも水球が一般社会に浸透していることを肌で感じた3日間でした。
さて今回、私がブダペストで10日間お世話になったペンションは、
Erzsebet’s Pension という、日本語の話せるエリザベットさんがやっている所です。
私が彼女と出会ったのは、2年くらい前に日本にいらしている時でした。
それからずいぶんと時間が経っているというのに、ちゃんと覚えてて下さって、
しかも、私のために水球の情報をいろいろと集めて下さいました。
日本が大好きで、美味しい日本食、ハンガリー料理を作ってくれ、
観光の相談にものってくれ、本当に助かりました。
ハンガリーでは、ほとんど英語が通じませんから、
エリザベットさんのご協力無しではとてもハンガリーの水球事情を調べる事はできません。
一時は、ハンガリーのスーパースター、カシャス選手にインタビューができるかも、
というところまでいきました。
今回は残念ながら、時間がなく、実現しませんでしたが、
いつかまた、ハンガリーに水球を見に来たいと考えています。
もし、ブダペストにご旅行される事があったら、ぜひエリザベットさんのペンションへ!!
空港への送迎、観光の相談、ガイドなどもしてくれます。
www.erzsokpension.hu ※2013年閉鎖
さて、明日はドナウ川を上って、船でウィーンへ向かいます。
そして5日には、とうとうアテネ入りします。
オリンピックがどんな所で、どんな風に行われるのか、
そして、水球はどんな試合が繰り広げられるのか、
今からドキドキです。
のんびりいろんなものを見て、
いろんなことをやって、
いろんな人と出会って、
バルセロナを生きましょう。
にーあや
感想をお待ちしています!
水球通信連載投稿中!! http://www.swimnews-japan.com/ ※2010年閉鎖
Macky!メールマガジン「Viva Barcelona!」 発行者名:ni-aya 水球に魅せられて早や2年。世界水泳をきっかけに、バルセロナまで来てしまいました。 2年間ここで水球観戦しながら、のんびりスペイン生活を自由気ままに満喫します。スペインが好きな人、水球を知りたい人、バルセロナに興味がある方はぜひぜひご覧あれ!!
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