気ままにバルセロナ生活 #20

ぶらり旅
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水球のシーズンが始まってもう7ヶ月が経ちました。
思い返せば、去年の7月の世界水泳が終わったあと、
まだ右も左も分からず、寂しさを紛らすかのように、
シーズン開幕までスペイン語の勉強に明け暮れていましたっけ。
水球を見に来た私にとって、水球のない3ヶ月はとても辛かったですねー。
今となってはいい思い出ですけど。
でも、その間に勉強に集中できたのも事実。
シーズンが始まってからは、水球のことを調べるのに一生懸命でしたからね。
試合を見に行くのだって、一苦労。
試合のスケジュールをネットで調べてから、そのクラブチームの住所を調べて、
地図で探して、最寄り駅から地図を頼りに歩くものの、方向音痴の私はいつも迷って、
たいてい誰かに道を聞き、やっとこさ辿り着くのでした・・・。
道を尋ねるときに、「このためにスペイン語勉強してたんだー」なんて思ったり。
ただ水球を見る、それだけのことなんですけど、
言葉が分からないとなんでこんなに不安になるんでしょう?
不思議なもので、それもいつの間にか慣れてしまいました。

先週、スペイン国内リーグ戦の決勝が行われました。
4月下旬からプレーオフに入り、
1部昇格、残留を賭けての熱い試合があちこちでありました。
そして、今シーズンのチャンピオンを決める決勝が、
美しい地中海を望むバルセロネータ海岸に並ぶ二つのクラブチーム、
C.N.Barcelona(CNB)とC.N.Atletic-Barceloneta(CNA-B)で、
ホーム&アウェイ方式で行われ、2勝すれば優勝が決まります。

第1戦は、5月26日CNA-Bで行われました。
予想通り、一進一退の接戦。CNBが先制するも、すぐにCNA-Bも取り返す。
目が離せない試合というのはこのこと。第1ピリオドは2-2で終了。
Ivanらしいプレーが見られたのは第2ピリオド。
長い手を使ったキーパーを翻弄するシュートを決めます。
しかし、CNA-BのGabiが渾身のシュートを決め、再び同点。
とにかくどちらの実力も、意地も、気迫も全て同レベルなのです。
第3ピリオドはCNBのXavierが2得点連取。
負けず嫌いのGabiがカウンターを決め、ベテランJordi Sanzが終了30秒前に決め、
7-7で第4ピリオドを迎えます。もう誰もどちらが勝つのか想像できません。
最終ピリオドは、守備が固くなり、なかなかシュートまで繋がらないプレーの連続。
両チームとも退水誘発し、タイムアウトを取るが、得点できず。
誰もが延長戦に入ると思った、残り2秒、
CNBのPietroがミドルシュートを放ち、キーパーの手を掠めてゴール!!
まずはCNBがアウェイで一勝しました。

第2戦、5月29日CNBにて。土曜日の午後1時開始、これはテレビで中継されました。
もう後がないCNA-Bは、どうしてもここで勝ち、翌日の第3戦に持ち込みたいところ。
逆にCNBは、ここで勝てば優勝決定。どちらも負けられない試合です。
当然のごとく、非常に激しいぶつかり合いとなりました。
第1ピリオド開始3分半まで1ゴールもなく、選手たちにとってはちょっときつい試合。
先制したのはCNBのNathan。不意打ちのミドルシュートがゴール。
この日はCNBのキーパーIñakiが素晴らしかった。
CNA-Bも何度もシュートを打ちますが、ことごとく彼に止められます。
第2ピリオドまでに両チームが放ったシュートはCNB11本、CNA-B12本、スコアは3-1。
しかしながら、フィールドの荒れ様は凄かったです。
一触即発の状態で、審判がちょっとでも曖昧な笛を吹いたら最後、
もう煮詰まっている選手たちはつかみ合いのケンカです。
ほんの少しホーム寄りかなーと思える判定で、
CNA-Bはものすごい抗議や批判を審判に対してしていました。
決定的だったのは第4ピリオド。
5-3で始まったところ、CNA-Bが3分半にゴールを決め、1点差までCNBを追い詰めます。
CNA-Bが同点に持ち込める可能性がまだある残り1分10秒、
ゴール前の守備でペナルティを取られてしまいます。
その判定に対して、監督、選手は猛抗議。
イライラしてプレッシャーをかけてくる選手たちに囲まれたCNBのNathanは、
ペナルティーシュートをキャプテンのIvanに代わります。
誰もがそのシュートがキーパーによってはじかれた瞬間を見ました。
しかし、審判はそのシュートは無効だと判定。
なぜなら、シュートを許可した笛を吹いたのではなかったというのです。
これにはCNA-Bの監督、コーチ、選手全員が審判に駆け寄り、抗議をします。
審判に殴りかかろうとしている選手もいて、会場は騒然となります。
判定は覆されることはなく、Ivanはもう一度シュートを打ち、
もちろんそれはゴールネットを揺らしたのでした。
もう残りの1分は優勝が決まったCNBのパス回しだけで時間が過ぎ、
CNA-Bはボールを追う事もせず、ただただ時間が過ぎるのを待っていただけでした。
残り8秒でCNBは再びゴールを決め、
最後、CNA-Bの選手はボールをその審判に向かって投げようとして、試合終了。
この瞬間に、CopaLENに続いて2タイトル目、CNBの優勝が決まり、
水球のシーズンが終了しました。

初めてスペインの水球を1シーズン見ました。
トップレベルの水球から、2部、3部の水球、女子、ジュニア、子供の水球まで。
毎年当たり前のように繰り返されるのでしょうが、
私にとっては、見るもの全てが新鮮で、素晴らしくて、面白くて、楽しくて、
とにかく水球観戦に明け暮れた7ヶ月でした。
その間に、多くの出会いに恵まれ、スペインの水球について教えてもらいました。
日本とは歴史も、システムも、教育も、国民性も、全てが違うのにもかかわらず、
ただ「スペインの水球を見に来た」というだけで、
本当にたくさんの情報を惜しみなく提供してくれ、
困った時、わからないことがあった時は、いつでも言いなさい、
と言ってくれる温かい人ばかりに出会えたこと、とても幸せに思います。

さて、私の水球観戦留学は、1年で終了する予定でしたが、
もっとスペイン語をきちんと話せるようになりたい、
そして、もっと多くの人たちと話したい、
もっともっとスペインの水球に近づきたい、
というわけで、もう1シーズン観戦することにしました。
このメールマガジンも、続けてゆきたいと思います。
水球をよく知っていらっしゃる方々、
私に水球を強引に勧められた方々、
水球ってなんだろう、とちょっと興味を持ってくださった方々、
未熟者ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
読んで下さっている皆様の応援があってこそのメールマガジンです。
これからもとことん水球を追っていきます。
ご意見、ご感想、ご質問などございましたら、下記メールアドレスまでお願いします。

次回は、少し時間が戻りますが、
名キーパー、ロヤン選手の最終試合のことを書こうと思います。
いろんなことをやって、
いろんな人と出会って、
バルセロナを生きましょう。

にーあや
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発行者名:ni-aya
水球に魅せられて早や2年。世界水泳をきっかけに、バルセロナまで来てしまいました。 2年間ここで水球観戦しながら、のんびりスペイン生活を自由気ままに満喫します。スペインが好きな人、水球を知りたい人、バルセロナに興味がある方はぜひぜひご覧あれ!!

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