コロナ禍で観た感動の清里フィールドバレエ

清里フィールドバレエ「白鳥の湖」バレエ鑑賞のいろは
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清里にある萌木の村の野外ステージで、神秘的で美しいバレエを魅せてくれる「清里フィールドバレエ」が7月30日から開幕した。毎年楽しみにしているバレエ公演だが、今年は新型コロナウイルスの影響を受け、あらゆる感染予防対策をした中での開催。
7月下旬に都内のコロナ感染者数が急増し、直前に開催されていた新国立劇場バレエ団の公演が途中で中止になり、東京から観に行っていいものか、ギリギリまで迷ったけど、久しぶりのバレエ鑑賞にワクワクしたし、今こそ野外のステージを優先的に観るべきではないかと考え、いつものようにぶらりと清里へ向かった。

初日公演は小野絢子さん&福岡雄大さん

当初の計画では、「眠れる森の美女」と「くるみ割り人形」と「白鳥の湖」が上演される予定だったが、最終的には「白鳥の湖」だけとなった。バレエファンにとっては、”開催する”という選択をしてくださっただけでめちゃくちゃありがたいのだが、開催までの道のりは相当険しかっただろうと容易に想像できる。
通常、舞台の計画は半年以上前から綿密に準備していくもので、4〜5月に緊急事態宣言が発令される中、開催するのか、中止するのか、の判断は本当に難しかったと思う。開催すると決めてからも、批判はあっただろうし、広告宣伝ができる雰囲気ではなかったし、マスクを付けながら3密を避けての準備やリハーサルは難しいし、パンフレットやプログラムの印刷もギリギリまでできなかっただろうし、今年は特に長かった梅雨の中での野外ステージ設営はかなり大変だっただろうと思う。想像を絶する困難を乗り越えて、開催にまで漕ぎ着けたのではなかろうか。

そんなことを想像しながら迎えた初日は、小野絢子さんと 福岡雄大さんが主演の「白鳥の湖」。曇天の中で開演したものの、途中で雨に降られることなくスムーズに上演でき、終盤には月に照らされた湖の情景となり、ステージが自然と一体になった感動的な舞台だった。

コロナ禍で生まれた新しい「白鳥の湖」

清里フィールドバレエの魅力は、今村博明先生と川口ゆり子先生が率いるシャンブルウエストのハイレベルな正統派クラシック・バレエの舞台と、萌木の村の森や風や空が一期一会の風景や雰囲気を生み出し、美しい照明や豪華な打ち上げ花火が一体となった壮大なステージにある。今年は、コロナ対策を徹底した中での開催ということで、舞台上のダンサーたちも密を避けた振付になっていて、今までにない新しい「白鳥の湖」を堪能することができた。

リハーサルで、舞台上のダンサーたちに離れるように何度も注意していたり、男女で踊るパ・ド・ドゥは手を繋がないようにしたり、リフトを少なくしたりし、コール・ド・バレエは人数を少なくしていた。四羽の白鳥の踊りは、4人が手を繋がず、美しいポール・ド・ブラを見せながら一糸乱れぬ踊りに感激し、「こんな美しい見せ方もあるんだ」と感動した。

リハーサルは無料で観られる

最大の見せ場である第2幕のオデットと王子のパ・ド・ドゥはカットされ、オデットのヴァリエーションにアレンジが加えられた形で、まるで2人の会話が聞こえてくるような距離感を保ったバレエだった。その辺り(=踊りではない何気ない仕草や間の取り方)の表現力は、小野さんと福岡さんが本当にピカイチで、私はいつもこのお二人のバレエ表現の虜になってしまう。「白鳥の湖」というバレエ作品を知っている者からすれば、第2幕のパ・ド・ドゥをカットするなんて「あり得ない!」ことだし、きっと苦渋の決断だったのではないか、と想像する。逆に黒鳥のパ・ド・ドゥがとても豪華で贅沢に感じることができたし、第4幕でオデットと王子の踊りをたっぷり見せてくれるサプライズのような見せ場があり、とても丁寧に細部まで考えられた演出や振付であることをひしひしと感じることができて、心の底から幸せな気分になった。

この「白鳥の湖」に至るまでには、様々な苦悩や苦労と創意工夫があっただろうと思う。不適切な言い方かもしれないが、コロナ対策によって生まれた新しい「白鳥の湖」は、これまでの常識を打ち破り、今までとは違う形のバレエの魅力や可能性を引き出してくれたように感じた。本当に感動的で素晴らしいバレエだった。

バレエ鑑賞はやめられない!

萌木の村の会場は、座席数を半分以下に減らし、開場前に消毒をした上で、入場口ではサーモグラフィで熱のチェックがされ、退場時も密にならないよう座席ごとに帰るよう工夫されていて、観客として不安に思うことは何もなかった。希望者にはチケットの払い戻しを受け付けてくれ、上演された翌日にはYoutubeで無料配信もしてくださる。運営側の皆様のご尽力とお心遣いには本当に頭が下がります。ありがとうございます。
清里フィールドバレエは、ぜひ清里で観てもらいたいけれど、今年はビール片手に家で観るのもあり。コロナが終息したら、ぜひ満天の星空の下でのバレエを観て欲しい!

清里フィールドバレエ 31th
https://www.fieldballet.com
日時:2020年7月30日(木)〜8月8日(土)
会場:清里高原 萌木の村 特設野外劇場
Youtubeチャンネル

最終日まで無事に上演ができますように!
そして、お天気に恵まれますように!!

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